SNSのエンゲージメント指標:誤解を招く合計を避けて比較する
リアクション、返信、表示回数、フォロワーの違いを整理し、分母を明示して比較できる週次レビューを作ります。
SNSの数字がいちばん役立つのは、何かを決める助けになるときです。どの説明が読者の役に立ったか、どのリンクが合った人を連れてきたか、どの投稿ペースなら続けられるか。性質の違うSNSの数字をひとつに合計すると、見えるものより隠れるもののほうが多くなりがちです。まず、その投稿で何をしたかったのかから考えましょう。
数字より先に目的を決める
チュートリアルなら、「ガイドを開いてもらえたか」「返信で抜けている手順が分かったか」がよい問いです。イベントなら、目的は申し込みの完了数かもしれません。いいねは多少の参考にはなりますが、どちらの結果も証明しません。
主な目的をひとつと、それをどう確かめるかを書き留めます。訪問や申し込みを投稿と結び付けられないなら「不明」と書きます。その日に増えた登録者をすべて最後の投稿の成果にしないでください。投稿のリンクを残しておけば、数字の横で実際に何を書いたかを見返せます。
それぞれの数字の意味を短くまとめる
リアクション、返信、再投稿、閲覧数または表示回数、フォロワーの増減、自分のサイトへの訪問は、列を分けて記録します。それぞれの数字の出どころ、何を数えているか、いつ集めたかもメモします。Mastodonの投稿データとBlueskyのフィード定義は数えるやり取りの種類が違い、すべての分析アプリがそのすべてを表示するわけではありません。
1回の表示が別々の1人とは限りません。リアクションが製品へのほめ言葉とも限りません。フォロワーの増減は一定期間のアカウントの変化で、1つの投稿の効果ではありません。取れない数字は、ゼロを入れずに空欄にするか「取得不可」と書きます。
率には何で割ったかを書く
「エンゲージメント率」は、どう計算したかを書くまでほとんど意味がありません。選んだやり取りの数を表示回数で割ることも、別の比較のためにフォロワー数で割ることもできます。この2つは答える問いが違うので、ラベルなしで同じグラフに入れないでください。
表示回数を使うなら、やり取りの数と表示回数は同じ投稿・同じ期間のものを使います。表示回数が取れないSNSで、同じラベルのままこっそりフォロワー数に置き換えてはいけません。方法を変えたことを書き留めるか、ひとつのSNSの中でやり取りの件数そのものを比べます。割る数がゼロか不明なら、率は計算できません。
例で計算する
あるチュートリアルが7日間でリアクション12、返信3、再投稿5を得たとします。合計20件のやり取りです。同じ取得元でその7日間の表示回数が1,000回なら、率は20 ÷ 1,000 × 100 = 2%です。これはあくまで例で、目標値ではありません。
別のSNSでも同じ20件のやり取りがあり、表示回数がない場合、その率は不明です。それでも、返信がどれだけ役立ったか、ガイドへの訪問がどれだけあったかは比べられます。ただ、合計が同じというだけでは、2つ目の投稿のほうが良かったのか、悪かったのか、同じなのかは分かりません。
条件が近い投稿を比べる
投稿から7日後など、同じ経過日数で確認します。チュートリアルと発売告知は分け、広告、いつもと違う紹介、サービス障害があればメモします。まず同じSNSの中で比べ、そのあとで複数のSNSに共通する傾向を探しましょう。
複数のSNSの閲覧数を足して「ユニークリーチ」と呼ばないでください。同じ人が複数のコピーを見ることもありますし、閲覧の数え方はSNSごとに違います。同じように、スレッドのやり取りを合計しても、何人の別々の人が反応したかは分かりません。それぞれの合計に何が含まれているかを書いておきます。
振り返りをひとつの変更につなげる
週ごとに短い1行を残します。目的、SNS、投稿のリンク、確認日、取れた数字、読者からの質問、次の一歩です。反応の少ない投稿でも、説明が分かりにくいと教えてくれたなら、多くのリアクションより学びになることがあります。
次の似た投稿で変えることをひとつだけ選びます。たとえば、もっと分かりやすい画像や、もっと具体的な1行目です。この記録と一緒に週間投稿カレンダーも手元に置きましょう。Studioでは、投稿ごとの表示回数、リアクション、再投稿、コメントに加えて、フォロワー推移も確認できるので、この週次の振り返りが速くなります。まだ利用できませんが、ウェイトリストに登録できます。数字が欠けているのはデータの抜けであって、投稿の成果が悪かった証拠ではないことも覚えておきましょう。
